ギャップ彼女 1


『なぁ、リンは昔何があったんだ?』




知りたい。リンが抱えている何かを…
俺が尋ねれば、ビクッと肩を揺らし目を逸らした奏




「てめぇに教える義理はねぇ。」

『おい。まて』



奏がその場を立ち去ろうとしたので、俺は腕を掴んだ




「なんだよ」

『頼む。教えてくれ』




俺の手を払い除けた奏にお願いする。
俺はリンを助けたいんだ。






『リンに記憶がない事も、入院してた事も、リンの父親が亡くなってしまった事も、リンの中学時代の事もリンから聞いている…。ただ、分からねぇんだ。リンが何に怯えているのかを』





俺は、屋上の出来事も話をした。
すると、チッと舌打ちをした奏は、重い口を開いた



「リンは、公園でーーーーーーーーーーーーーーそして、3ヶ月ほど眠り続けた。もし、記憶が戻ったら、あの時みたいになっちゃうんじゃねぇかと……」



「だから、リンに思い出させる様なマネしやがったら絶対許せねぇ。」

『…分かった』




キッと睨みつける奏に、俺は同意した。
リンの過去は、凄まじいものだったんだ。