『なぁ、リンは昔何があったんだ?』
知りたい。リンが抱えている何かを…
俺が尋ねれば、ビクッと肩を揺らし目を逸らした奏
「てめぇに教える義理はねぇ。」
『おい。まて』
奏がその場を立ち去ろうとしたので、俺は腕を掴んだ
「なんだよ」
『頼む。教えてくれ』
俺の手を払い除けた奏にお願いする。
俺はリンを助けたいんだ。
『リンに記憶がない事も、入院してた事も、リンの父親が亡くなってしまった事も、リンの中学時代の事もリンから聞いている…。ただ、分からねぇんだ。リンが何に怯えているのかを』
俺は、屋上の出来事も話をした。
すると、チッと舌打ちをした奏は、重い口を開いた
「リンは、公園でーーーーーーーーーーーーーーそして、3ヶ月ほど眠り続けた。もし、記憶が戻ったら、あの時みたいになっちゃうんじゃねぇかと……」
「だから、リンに思い出させる様なマネしやがったら絶対許せねぇ。」
『…分かった』
キッと睨みつける奏に、俺は同意した。
リンの過去は、凄まじいものだったんだ。

