ギャップ彼女 1

確かに私は、はっきりと断った。
だがしかし、私を見つめる隼人の目の色は勝利の色そのもの。



もしかして、何か企んでる…?
私がビクビクしていると、ニヤリと口角をあげた隼人が口を開いた。




「そんな事いっていいのかな?断る事はできないと思うよ。リンちゃんは、キャンディカフェって知っている?もちろん知ってるよね?」


『……っ!?』




なぜその名を今ここで?
バレたのか?


変装はバッチリだったはず。
いや人気店だし。ここで慌ててはいけない。




『その、キャンディカフェがどうしたのでしょうか?』



平静を装って尋ねる。
うん。
絶対大丈夫………だと思ったのに、




「そこのバイトの凛音(りおん)ちゃんって凛ちゃんでしょ~?」

『……』





チーン。終わった。


凛音はバイト先での名前だ。
店長にお願いして偽名を通している。


「証拠は、あがってるんだ!!」


金髪くんが、にやりと口角をあげたまま正座した私の前に、その写真を落とす。金髪くんは、どこか楽しげだ。


『あっ…』


その写真は、私が接客中の写真と、制服姿の私が店の裏口に入っていく姿の写真。なぜこんな写真が…?



警察に事情聴取されている気分だ。



終わった。
私の高校生活終わった…