「お前」
そんな時、黒髪くんに呼ばれたので彼に視線を向けた。
背も高く、切れ長の瞳、スッと通った鼻筋、形の良い唇……イケメン部類でも、綺麗系の男の人だ。
でも…この人どこかで見たことあるような。
どこだろう…
記憶の糸をたぐりよせてみる
あ!
バイト先に食べに来てた気がする…多分…
「……。」
『……。』
お~い黒髪くん?
それにしてもなぜ次喋らない?しかも、なぜそんなに私を見つめる?
にらめっこか?どちらか笑うまで勝負か?
それか、先に目をそらした方が負けか?
よし。その勝負受けてたつわ
私も負けまいと、黒髪くんを見つめ返した。
でも、なんだろう…
この瞳を見ていると、不思議な感覚に陥ってくる。
この綺麗な瞳…どこかで…
「…お前は、俺のだ。」
……は?
私が綺麗な瞳に見入っていると、黒髪くんがこんな事を言ったんだ。
私は、自分の耳を疑った。
「………俺のだ」
『……っ』
し、しかも、もう1度言った!?
ポカン。
開いた口が塞がらないとはまさしくこの事だろう。

