「リン。どうした?」 左隣に座っていた伊吹が、耳元で小さい声で囁いた。 私は何でもないとういう気持ちを込めて軽く首を横に振る。 朱里から視線を逸らし、奏に視線を向ければ、奏は私の右横にいる悠斗を見て、目を見開き驚いている。 …どうしたの? 「お前……」 右隣の悠斗は、奏をじっと見ながら無言で私の手をぎゅっと握ってくる。 視界の隅に入ったのは、困った顔の翔と隼人。 蓮に関しては、奏を睨みつけていた。