家から出ると前には大きな外国車が止まっていた。 「これ?」 「うん」 助手席のドアを開けてわたしを誘導する。 わたしが中に入って座ると優しく閉めた。 そして隣の席に乗ってくる。 「ねぇ」 「ん?」 「行きたいところってどこ?」 「まぁついてこいって」 あ、本当にあるんだ。 わたしはベルトをしめて窓の外を見る。 この家とも当分おさらば。 そしてゆっくりと車が発進した。