どんどん蓮見の顔が近づいてくる



後少しで鼻が触れ合いそうな距離





「蓮見さん」





不意に蓮見の腕が引かれ
神宮寺の目の前から消えた




「瀬良先生…?」






腕を引いたのは瀬良で
蓮見は今、彼の腕の中にいた





自分の腕にすっぽりとおさまる
蓮見を愛しく思った





あと少しだったのに、と
瀬良を睨む神宮寺






普段、顔の変化が一切ない神宮寺の
新たな一面をみて面白がる瀬良







状況が掴めていないのは
蓮見だけだ






「蓮見、あったかいね」





蓮見を抱きしめる腕に
先ほどより力を込める






神宮寺に見せつけるように