―――ってことがあったけど




それのどこに告られている要素があるのだろうか。




「あんたってやつは……どうしてこんなに鈍感なの…」



花菜はなぜか
ふかーいため息をつくと



哀れみの目をして明後日の方向を見る




『花菜?どこ見てるの?』


「その本持ってくれた報われない可哀想な人にエールを送ってるのよ。」



『エール?何で?』



「……もういいや。この話無し!終わろう。次化学で移動だよ。急げ!」



『え、ちょっ…?!まってよー!!』



慌てて私は化学の道具を机から引っ張り出して花菜の後ろ姿を追いかけた。