とろける恋のヴィブラート

「えー、すみません、演奏を中断しましたが、先程リクエストがありましたので最後に一曲聴いてください」


 御堂が司会からマイクを奪って呼びかけると、集まっていた人たちの耳が再び傾けられ始めた。


 タイミングを見計らって御堂がヴァイオリンの弓を引くと、研ぎ澄まされた音が奏でられる。


 それは子供たちには馴染みのある曲だったようで、ヴァイオリンで軽快なリズムを刻む度に感嘆の声をあげ、嬉しさを隠しきれないようだった。


「あ! これ知ってる! ネイチャーファンタジーの曲だ!」


「僕も知ってる!」


「わぁ! かっこいい!」