十四になった春。
その日、私は朝から苛々していた。外出したく無かったけれど、ダリアおばさんの家に遊びに誘われていたので出かけた。
一人で行くと言うとダグラスに猛反対され、護衛役のリフが律儀についてきた。“かくれんぼ”中という自分の状況は重々承知していたけれど、家の中での態度と外での態度が白と黒ほど綺麗に違うリフに何故か苛立った。
「ねえ、リフ」
家に戻るなり、私はリフにつっかかった。
「どうして家では私の事をエマって呼んでくれないわけ?」
リフは不思議そうな顔で私を見た。何を当たり前の事を尋ねるのか、と言いたげなその様子が余計癪に障った。
「お呼びする理由がございません」
「なあに、それ。理由が無くちゃ名前を呼んじゃいけないの?」
食って掛かる私にリフは怪訝そうな顔で答える。
「姫はレシュノルティアの女王となられる御方です。側近であるダグラス様やマリーはともかく、私が気安くお名前を呼ぶ訳にはいきません」
「どうして?」
「本来、私は姫のおそばに居られる身分では無いからです」
当然の事のように言ってのけるリフにむっとした。
その日、私は朝から苛々していた。外出したく無かったけれど、ダリアおばさんの家に遊びに誘われていたので出かけた。
一人で行くと言うとダグラスに猛反対され、護衛役のリフが律儀についてきた。“かくれんぼ”中という自分の状況は重々承知していたけれど、家の中での態度と外での態度が白と黒ほど綺麗に違うリフに何故か苛立った。
「ねえ、リフ」
家に戻るなり、私はリフにつっかかった。
「どうして家では私の事をエマって呼んでくれないわけ?」
リフは不思議そうな顔で私を見た。何を当たり前の事を尋ねるのか、と言いたげなその様子が余計癪に障った。
「お呼びする理由がございません」
「なあに、それ。理由が無くちゃ名前を呼んじゃいけないの?」
食って掛かる私にリフは怪訝そうな顔で答える。
「姫はレシュノルティアの女王となられる御方です。側近であるダグラス様やマリーはともかく、私が気安くお名前を呼ぶ訳にはいきません」
「どうして?」
「本来、私は姫のおそばに居られる身分では無いからです」
当然の事のように言ってのけるリフにむっとした。



