空の誓い、海との約束

「私はリフの意見に賛成だわ。引きこもっている方が確かに怪しいし、外に出て色んな事を吸収するほうが姫様の将来に資すると思う」

 小さく会釈し、リフはさらに俯いた。

 彼の手は逃げるようにマリーの手から離れ、背後で固く握られていた。

「出来得る限り協力するわ。ただし、姫様の身に危険が及ばないようにだけは注意してね」

「はい。御約束致します」

 二人に気付かれないようにそっと部屋に戻り、私はベッドに横になって呟いた。

「息苦しいほどの現実って、なんだろう」

 リフが私に知って欲しいと願っている事。今日見た楽しい、美しい景色だけじゃない、薄暗い日陰。

 笑顔を見せるようになったリフから表情を奪う、醜い現実。

『生きる価値もねぇ人殺し』

『てめえが生きてる事自体おかしいんだよ』

 知るのはほんの少し怖い気がする。それでも理解したかった。

 良い人の振りをした強欲な鬼から私を助けてくれたリフの事を、もっと知りたいと思った。