空の誓い、海との約束

 リフは私の手を引いて港の方へ向かった。

 街路樹の葉がほんのり赤く色づき始めている。本国から逃れてきた時には色取り取りの花が咲き乱れていた景色も、着々と冬支度を始めていた。

 港の近くには人が一杯居た。テントみたいなお店が一杯並んでいた。確かリフと二人でこの港に着いた時にはこんなお店無かった。

「今日は開港記念日なんだ」

 そう説明するリフの口調が変わっていてびっくりした。横を見上げると目配せされた。

 そうだ、外では私はリフの遠い親戚の娘なんだった。いつもと違う扱いが、いかにもお忍びという感じがしてさらに楽しくなった。

「この島がレシュノルティア配下になった翌年、立派な港が出来た。その日を毎年お祝いしているんだ」

 へえ、と相槌を打って私はお店を見回した。美味しそうな匂いをさせて魚介を焼いているお店、アクセサリーや布を売っているお店、野菜を売っているお店。色んなお店がある。

「少し見て回ろうか」

「うん!」

 良い匂いに誘われてお魚を食べた。とっても美味しいのに味付けは塩を振っただけと聞いて驚いた。

 子どもだけが参加できるキャンディのつかみ取りをさせてもらった。小さいキャンディが六つ取れた。

 初めて燻製の玉子を食べた。あまりの美味しさにすっかり気に入って、マリー達のお土産に買った。