招待された各国の“婿候補”以外にも上流階級の御子息御息女が夜会に出席しており、会場は華やかだった。
正直なところ、人数が多いと僕の存在も陰に隠れるというもので、ちょっとホッとした。まあ、晩餐会の席が陛下を拝見できない位置だったのが惜しかったけれど。
晩餐会の後、控えの間で舞踏会の始まりを待っている間、僕は指南役の教えを守らず一人で隅っこから婿候補を観察していた。
結構美丈夫が多い。いやほんと、僕なんか“御義理”で呼ばれたんだろうなあって思う。ほら、一応呼んどかなきゃ国交に差し障る的な。
女王陛下の隣に立つのが似合いそうなカッコいい殿方陣が朗らかに談笑している。色とりどりのイブニングドレスを纏ってめかし込んだ女性達が互いの衣装を褒めあっている。
どちらの笑顔の下にも、ともすればライバルを蹴落とそうという薄刃に似た下心が見え隠れしている。
この雰囲気は苦手だ。何て言うか、化けの皮を剥がしてやりたくなる。
ああ、性格悪いな僕。こんなんじゃ女王陛下に――
かあっと頬が熱くなった。どうしていちいち陛下を意識しているんだろう。これじゃまるで、陛下に惚れてるみたいじゃないか。



