「これで安心してレシュノルティアへ行けるよ」
心底ほっとして、僕はベッドに倒れこんだ。この部屋で過ごすのも、今日が最後だ。
ふあ、と欠伸をした僕を見て、アスターは名残惜しそうに下がって行った。
ひどく疲れてはいたが、眠れそうになかった。緊張しているせいもある。
でも本当の原因は、僕の中に重く残っているもう一つの心残りだ。
『シエル』
心配そうな眼で僕を見ていた母上。その口から零れた、十年以上呼んで貰えなかった僕の名前。
「もう一度、勇気出してみるか……」
次の日、僕は早く起きた。
更衣の儀が終わったら僕はそのままレシュノルティアへ向かう。チャンスは儀式の前、今しかない。
緊張しながら母上の部屋に向かい、お話したい事がある旨、侍女に取り次いでもらう。
祈るような気持ちで返事を待っていると、希望通り部屋に通してもらえた。
驚いた事に、父上も一緒に居た。二人は並んでソファに座っていた。
「なんだ、こんな朝早くから」
不機嫌そうな父上と、相変わらず俯いている母上。
今を逃せば二度と言えない。僕は二人から目を逸らさずに口を開いた。
心底ほっとして、僕はベッドに倒れこんだ。この部屋で過ごすのも、今日が最後だ。
ふあ、と欠伸をした僕を見て、アスターは名残惜しそうに下がって行った。
ひどく疲れてはいたが、眠れそうになかった。緊張しているせいもある。
でも本当の原因は、僕の中に重く残っているもう一つの心残りだ。
『シエル』
心配そうな眼で僕を見ていた母上。その口から零れた、十年以上呼んで貰えなかった僕の名前。
「もう一度、勇気出してみるか……」
次の日、僕は早く起きた。
更衣の儀が終わったら僕はそのままレシュノルティアへ向かう。チャンスは儀式の前、今しかない。
緊張しながら母上の部屋に向かい、お話したい事がある旨、侍女に取り次いでもらう。
祈るような気持ちで返事を待っていると、希望通り部屋に通してもらえた。
驚いた事に、父上も一緒に居た。二人は並んでソファに座っていた。
「なんだ、こんな朝早くから」
不機嫌そうな父上と、相変わらず俯いている母上。
今を逃せば二度と言えない。僕は二人から目を逸らさずに口を開いた。



