空の誓い、海との約束

「あれあれ、エマ様。お久しゅうございます」

 薬屋の店主らしきおばさんが、お姉さんに深々と頭を下げた。お姉さん、よほど偉い人なんだな。街のトップの娘とかかな。

「お久しぶり、カティア。ちょっと頼みがあるんだけど」

「何なりとお申し付けください」

 お姉さんは僕の掌をおばさんに見せて言った。

「傷が膿んでるみたいなの。手当てしてもらえるかしら?」

「勿論でございますとも」

「結構痛いみたいだから、優しくね」

 僕は奥に連れて行かれ、手当てをしてもらった。カティアおばさんは、優しく優しくと呟きながらぎゅうぎゅう膿を絞り、ばしゃばしゃ消毒した。もう、涙が出るほど痛かった。いや、痛すぎて涙も声も出た。

「はい、終わり。よく泣かなかったね、さすが男の子だ」

 いや、十分泣いてました。おばさんが見てなかっただけです。

 心の中でそう反論しつつ、僕はおばさんに御礼を言った。左手は絆創膏、右手は包帯。手当てはえらく痛かったけど、おかげで随分楽になった。