空の誓い、海との約束

 どうやらリフは本当に罪状通りの事をしたらしい。信じ難いことだが、当人が言うのだから間違いは無いだろう。

 それでも、どうしても分からない事がある。

「何故、そんな罪を犯した?」

 長い沈黙。

 いつの間にか雨が降り出していた。加速する雨音に混じってぽつり、と言葉が落ちた。

「姫には……絶対に話さないで頂けますか」

 私が頷くと、リフは目を伏せたまま話し始めた。




 実は、本当にこの島が故郷かは分からないのです。どこの生まれか、自分は誰なのか、一切覚えておりません。

 気づいた時は賊の船に囚われていました。昼夜問わず慰み者にされ、命じられるまま盗みと人殺しを繰り返しました。

 従わなければ殺されるから。死ぬのが怖かったから。生きて、いたかったから。

 私は自分が生きるために沢山の人を殺めました。それは、私利私欲のために命を奪う事と何ら相違ありません。

 私は汚い人間です。あまりに汚れ過ぎていて、姫のお側に居るのが心苦しい時もありました。

 それでも、私は陛下の遺言を全うしたかったのです。十八で人生が終わっていたはずの私に生き直す機会を下さった陛下と姫にせめてもの感謝を示したかった。

 ですが……