もう、嫁だね。あんた。


なんて横でエリカが呟くけど、そんなんじゃない。



ただ、緋色が私の料理が好きなだけであって。とくに卵焼き。





自分の弁当つくるついでに、緋色のぶんも作ってるだけ。



なんて前にエリカに言ったら愛だねー。なんて言われたけど。




「じゃあ私ヒロと食べてくるから」




「エリカばいばーい。やらしーことすんなよ!」




「あんたと一緒にすんなバーカ」




ヒロとはエリカの彼氏で、お弁当の時はいつも、こうして別れる。



顔を赤くして出て行ったエリカをみて、横でケラケラ笑う緋色を連れて、中庭へと向かった。