「っ!杏!!」 杏。 それは緋色が真剣に話す時に私を呼ぶ呼び方。 「っ‥‥‥離してよ‥‥‥っ」 「ちょお、待て。話し聞けって」 「嫌!もうなにも聞きたくない!」 「杏!」 「も、嫌!辛いの!胸が痛すぎて死んじゃいそう‥‥‥もう、離し‥‥‥っ!!!」 離して。 そう言おうとした唇は塞がれた。 緋色の唇によって。