そのあとは、もういつものパターンな訳で。 目の前から、何処かへ消えて行った緋色と亜子と呼ばれた女の事を、頭から拭い去るように、唇を噛み締めてお弁当箱を片付けた。 緋色のバカ‥‥‥。 もう膝枕してあげないんだから‥‥‥。 「泣いてんの?」 え? 突然かけられた声に、ガバッと顔を上げた。 「あ、泣いてないじゃん」 「‥‥‥っ泣くわけないし!」 目の前に立っていたのは、緋色とはまた違ったタイプだけど、かなり整った顔をした男の人だった。