午後十時半を回る頃、揃って店を出、目抜き通りへと向かう。


 背後にひと気を感じた。


 誰かが尾行している。


 誰だ?


 危なっかしいと思った。


 こんな夜遅い時間に。


 そして俺たちが大通りに出た時、不意に誰かがにじり寄ってきた。


 瞬間、左わき腹に痛烈な痛みを感じる。


 ドッと血が流れた。


 トマトジュースのような色の。


 俺を刺した人間は、酔っ払っている島田をも真正面から刺し、息絶え絶えになった後、マスクを取る。


 そして掛けていたサングラスを取り、目元を表した。