FIN
 木曜の夜、仕事が終わり、午後九時過ぎに署を出る。


 そして新宿駅へと向かった。


 地下鉄に乗り込み、自宅へ舞い戻る。


 ずっと警戒していた。


 誰かの目を。


 付けられている。


 何者かに。


 恐怖感があった。


 自宅に帰り着き、玄関の扉を閉めてから、フゥーと息をつく。


 来週引継ぎを終えてしまい、新年度からは警視庁へ異動となる。


 島田と共に。


 思っていた。