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 蕎麦屋に入っていき、笊蕎麦を頼んでから、しばらく待ち続ける。


 お冷を飲みながら、じっと待っていると、


「トノさん、気持ち落ち着かないだろ?」
 


 と島田が言ってきた。


「ああ。シマさん、よく分かるね」


「コンビ組んで長いから、もうお互いのことは手に取るように分かるよ。トノさんも葛藤あり
そうだからな」


「うん。……俺も所轄勤務だけど、何かと疲れるんだよね」


 そう言っていると、蕎麦が二人分テーブルに届き、麺つゆに浸けてから啜り始めた。


 しばらくの間、黙々と蕎麦を啜り続ける。


 俺も思っていた。


 きっと一課のデカたちが羽野や衛藤を捕まえるだろうと。


 ゆっくりと蕎麦を啜り、空腹を満たすと、島田が、