歩きながら、スマホを見ていた。


 四十代だったが、視力は落ちてないし、老眼も入ってない。


 ただ、体は重たい。


 初夏の陽気で、だるかったのである。


 署に着き、刑事課に入っていくと、島田が来ていた。


「おはよう、シマさん」


「ああ、トノさん、おはよう。……今日は遅刻しなかったね」


「うん。時間に余裕持ってきたからな。……今、午前八時二十分だろ?」


「そうだよ。いつもトノさん遅いからね。体きついんでしょ?」


「朝が苦手でね。でも、これからは朝型に切り替えようって思ってる。朝の方が能率いいからな」
  

 そう言ってデスクに座り、パソコンを立ち上げた。


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