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 その日も普通に仕事をし、午後九時過ぎに署を出る。


 そして新宿駅へと向かった。


 地下鉄に乗り込み、自宅マンションへ戻る。


 そんな日々が約三週間続き、二月の頭になった。


 すでに尾花監察官も横川検事総長も松下法相も、起訴済みだ。


 殺人事件において犯人の逃亡幇助をしていたのだから、当然である。


 署の刑事課内では島田がずっとパソコンのキーを叩いていた。


 思う。


 よく働くなと。


 古い手書きの調書を起こすのには、時間が掛かるのだ。


 新年度までにやれることは限られている。


 仕事は大変だ。