「シマさん、道場行かない?」


 誘ってみると、島田が頷き、


「ああ。今からだろ?」


 と言ってきた。


「うん。……時間あるよな?」


「そうだね。稽古で汗流した方がいいかも?」


 島田がそう言って、笑顔を見せる。


 手元の作業をいったん止めてから、立ち上がり、歩き出す。


 俺の方も付いていった。


 道場は地下にある。


 思っていた。


 寒い中でも汗を流すのはいいことだと。


 その日の午後二時過ぎから、剣道場で稽古した。