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 火曜が終わり、また淡々と日々が流れていく。


 思っていた。


 きついなと。


 署の刑事課に詰めている間はずっと、課内庶務に追われていた。


 実際、所轄の刑事も骨が折れる。


 ずっと仕事が続くからだ。


 傍目から見るより、タフじゃない。


 上下とも黒っぽいスーツを着て、仕事をしていても、一日が終わればクタクタになる。


 だが、悠長なことを言ってられない。


 羽野と衛藤は事情聴取が続いている。


 あの殺人事件で。


 俺や島田だけでなく、新宿中央署刑事課にいる他のデカたちも、一切口を閉ざす。