公設秘書の櫻木(さくらぎ)恭二が、地検の取り調べに応じるようである。


 尾花監察官や横川検事総長も、仮に櫻木が疑惑の一部始終を話せば、一巻の終わりだ。


 監察官や検事総長など、普段霞ヶ関に常駐する人間たちが逮捕となると、事が大きい。


 櫻木もどこまで話すのか?


 政治家の公設秘書などと言っても、高が知れている。


 だが、仮に櫻木が検事相手に事の核心を話せば、今選挙期間中の松下にも影響が出るのだ。


 下手すると、落選する可能性があったのである。


 地元の人間たちもあまり歓迎ムードではないからだ。


 思っていた。


 仮に松下が落選したら、タイミングを見計らって、逮捕だと。


 櫻木が事実を話せば、捕まえる材料は揃う。


 面白くなってきた。