と言った。


「ああ。事件を横目で見ながら、推理していくわけだからね」


 島田がそう言って、軽く笑みを見せる。


 羽野の犯した殺人事件で、全てのケースにおいて、DNAが検出されてなかった。


 だが、警察もバカじゃないから、ちゃんと目撃証言等は得ている。


 この手の事件は一番性質が悪い。


 何せ、五人の人間を闇に葬り去った輩が、タッグを組んでいた人間と共に逃げ回る。


 赤道直下の島まで。


 いい加減、無駄な抵抗は止めた方がいいのに。


 そう思っていた。


 島田は会話を終えた後、淡々と仕事をこなしている。


 身じろぎもせずに、だ。


 その日の昼、いつもの仕出し屋の弁当を受け取り、食べる。