挨拶を返した後、パソコンの電源ボタンを押し、フロア隅のコーヒーメーカーでコーヒーを一杯淹れる。


 そしてデスクに座り、仕事を始めた。
 

 体の芯はきつい。


 だが、勤務中にきついなどとは言ってられない。


 警視庁の国際捜査班の刑事たちが、警視庁広域指定七×二事件の捜査で海を渡り、ブルガビール島を捜索している。


 羽野と衛藤は逃げ回っていた。


 何かしら、あの事件が気になる。


 警視庁の警察官が担当だとは言っても。


 その日もいつものように、課内庶務が続く。


 調書のデータベース化は大変だ。


 出来上がれば、検索ワードを入れるだけで、過去の案件などが自由自在に調べられる。


 あと何年掛かるかは分からないのだが、責任があった。