だが、所轄の方にこういった地味な仕事が回ってくるのだ。


 割り切っていた。


 これは俺たちの仕事だと。


 おそらく今週は一度か二度、歌舞伎町にパトロールに行く必要がある。


 あの街は悪の街だ。


 欲望を満たすためなら、何でもありのような。


 もちろん、あそこで動いた金は全部向こうの国へと行く。


 恐ろしいと思っていた。


 そういった人間社会の裏面など、たくさん知っている。


 飽きるほどに。


 課内は電話が鳴り、パソコンのキータッチ音が響き、ファックスやプリンターは作動し続けていた。


 ノイローゼになりそうなこともある。