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 土曜の午後九時過ぎに署を出て、地下鉄に乗り、自宅マンションに帰り着く。


 そしてシャワーを浴び、アルコールフリーの缶ビールをきっちり一缶飲んだ。


 思う。


 今、警視庁内はひっ迫していると。


 おそらく職員たちも絶えず動いているだろう。
 

 あの案件――、警視庁広域指定七×二事件で加熱しているからだ。


 確かに海外での捜査となると、現地の警察官たちの協力も必要になってくる。


 まあ、俺や島田みたいに、単なる所轄の刑事課のデカが何を言っても仕方ないのだが……。


 土曜の夜、日付が一つ変わり、午前零時過ぎにベッドに入った。


 そして眠る。


 思っていた。


 羽野も衛藤も往生際が悪いなと。