その日の午後九時まで署にいて、九時半過ぎに出る。


 そして新宿駅へ向かった。


 地下鉄に乗り込み、自宅マンションへと帰り着く。


 二十三区内にある自宅に帰り着き、気を抜いた。


 片道三十分程度の通勤でも、幾分きつい。


 入浴した後、ゆっくりする。


 たまにはアルコールフリーのビールもいいかと思い、一缶飲んだ。


 どうやら、尾花監察官と横川検事総長の処分は決まりそうである。


 両人同時に逮捕ということも考えられた。


 何せ公僕であるのに、殺人犯の逃亡を幇助するなど、とんでもないことだからである。


 決して許されないと思っていた。


 特捜は水面下で捜査を行っている。


 すでに一部の検事が尾花や横川の身辺に張り付いているという噂もあった。