そう思ってもらって構わないのである。


 実際、組対のデカたちのことは知っている。


 警視庁在籍時に水面下でずっと接してきた。


 刑事の仕事など、人の目が到底及ばないところで、やることの方が圧倒して多いのである。


 思っていた。


 二課時代に身に付いた習性が消えてないなと。


 それだけ、警察官という職業が板に付いているということである。


 他人を疑う仕事はあまり快いものではなかったのだが……。


 率直にそう思い、日々勤務し続ける。


 新宿の街からネオンが消えるのは、朝方だ。


 夜勤のデカたちもきっと窺っているだろう。


 あの街を。