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 土曜の午後も課内庶務をこなした。


 慣れているから、平気だ。


 パソコンのキーを叩き、手書きの調書を電子化していく。


 思っていた。


 昔のデカたちの達筆さを。


 手書きすることがあまりないから、尚更だ。


 午後八時過ぎに、島田が、


「トノさん、お疲れ様。お先するよ」


 と言ってきたので、パソコンのディスプレイから目を上げ、


「ああ、お疲れ」


 と返し、再びマシーンの画面に目を落とした。


 目がチラチラする。