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 金曜も午後八時半過ぎに勤務が終わり、署を出た。


 新宿駅へ向かう。


 疲れていた。


 ちょっと秋めいたかと思ったら、もう冷え込み出し、冬が程近い。


 感じていた。


 何かと体が重たいと。


 駅から自宅マンションのある方面へ向かう地下鉄に乗り込む。


 電車に揺られながら、思っていた。


 ずっとこんな感じで、日々が過ぎていくのだろうと。


 オヤジのことは一切相手しない。


 あの人間にまるで用はないのだ。


 アル中で、酒が抜け切れないのだし……。