「シマさん、鈍ってないね」


「ああ。俺も動体視力は、ほとんど落ちてないよ。いつでもホシを撃てる」


 島田が軽く笑う。


 お互い、衣服に火薬が残渣していた。


「トノさん、今からまた庶務だよ」


「うん。仕事から逃げられないしな」


 そう言って、軽く頷く。


 銃を仕舞い込み、射撃場を出て、刑事課フロアへ歩き出した。


 島田も付いてくる。


 コンビを組んでいるので、互いの意中が手に取るように分かっていた。


 思う。


 これからこのまま警視庁に行けば、いろいろあるだろうと。


 だが、桜田門でも島田と組める。