まあ、仕方ないのだ。


 警視庁において、組対四課が捜査四課から改編された際、多くの刑事が居残った。


 一つは捜査において、マル暴の勘が大事なのである。


 いつ対象団体や対象人物を摘発すべきか、あのデカたちは考え続けていた。


 組対の刑事は開襟シャツに極普通のスラックスを穿き、歩き回っている。


 ヤクザと変わらない格好をしていても、実質警官なのだ。


 今、安原は内偵に出ているだろう。


 関東六王会はしぶとい。


 ここ新宿でも、いろんな闇組織と癒着している。


 普段から歌舞伎町の飲食店やパチンコ店、風俗店などに金の回収に回っていて、ある意味、ゆすり集りで暮らす連中だ。


 そういった手合いとマル暴がしのぎを削っているのである。


 根は深い。