実に骨のある刑事だと。


 その点、二課時代の相方である小松は、ひ弱だった。


 キャリア組だから、育ちがいいのだ。


 労苦を経てないから、地味な捜査は苦手なのである。


 その日も昼に仕出し屋が弁当を持ってきた。


 幕の内弁当を一つ食べる。


 いろんなことを抱え込んでいたのだが、島田がいてくれると助かるのだ。


 それに島田には目に見えない強さがある。


 常に感じ取っているのだった。


 ずっとである。


 俺も思う。


 人生経験と人生哲学って連動しないんだなと。


 実際、島田の方がいろいろ知っている。