そうなった場合、警察トップだけでなく、横川を始めとする検察幹部も首が飛ぶ。


 勤務中考え続けていた。


 尾花監察官がとんでもないことを仕出かしたと。


 これは法の番人である法務省や下部にある検察庁だけでなく、霞ヶ関全体の信頼を揺るがすものだ。


 黙っておく方がいい。


 今はまだ。


 そう思いながら、金曜の仕事をこなした。


 淡々と、である。
 

 まるで何も見聞きしなかったかのように。