それを読んでしまってから、仕事が始まる。


「シマさん」


「何?」


「昨夜、安原のケータイの番号に掛けたんだけど、出なくてね。どうしたんだろうな?」


「忙しいんじゃないの?組対って俺たちでさえ知らない業務があるだろ。別に電話に出れない時ぐらい、刑事なら誰でもあるよ」


「まあ、何もないならいいんだけどな」


 軽く息をつく。


 島田がパソコン上に映った調書を読んでいる。


 俺も仕事を始めた。


 日曜の勤務は大変だ。


 もちろん、刑事課フロア内は常に緊張感が漂っていたのだが……。


 それに俺も処理すべき書類にずっと目を通していた。