「うん、多少な。このところずっと寝苦しいし」


「眠れない時はどうしてるの?」


「清張の本は読んじゃってるから、他の推理作家の文庫本とか読んでるよ」


「そう……」


 島田が言葉尻を濁しながら、そう言った。


 そして立ち上げていたパソコンのキーを叩き始める。


 課内庶務で忙しかった。


 ずっとパソコンなのである。


 休む間もなく。


 マシーンの電源ボタンを押し、起動させた。


 そして起動する合間を縫い、コーヒーメーカーからコーヒーを一杯注ぐ。


 デスクに戻り、椅子に座って、キーを叩き始めた。


 刑事は激務だ。