と言ってきた。


「ああ、おはよう、シマさん。……いつも早いね」


「うん。俺も朝早く目が覚めるから、早めに来て一仕事してるよ」


「調書の整理だろ?」


「ああ。……ところでさ、逮捕された月創会の信者は、公安のデカの取調べでもほとんど喋らないらしいね」


「悪質だな。便文教の連中は」


「まあな。アイツら、カルトに洗脳されてるだけだからね。マインドコントロールが解けないんだろうな」


 島田がそう言って、パソコンに目を戻し、キーを叩き続ける。


 デスクのパソコンの電源ボタンを押し、起動する合間にコーヒーを淹れた。
 

 ホットコーヒーだったが、夏場でも温かいコーヒーの方が体を冷やさない。


 パソコンのディスプレイを眺めながら、キーを叩く。


 あの月創会の信者の棚町望は目付きが違う。