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 土曜は勤務がなかったので、朝遅く起き出して、キッチンでコーヒーを一杯淹れ、飲んだ。


 警官になってから長い。


 準キャリアだから、キャリアとは身分がまるで違うのだが、所轄でならある程度のポストまで行ける。


 土曜の昼、リビングの本棚に入れていた松本清張の本を読む。


 清張のファンだったから、尚更入れ込みがあるのだ。


 そして読書で疲れた目を時折休めながら、文庫本を丸々一冊読んでしまった後、夕食を作り始めた。


 簡単に一品作り、食べる。


 明日は仕事だ。


 日曜だったが……。


 刑事という職業柄、生活は変則的だ。
 

 別にいいのである。