新宿のデカ

 島田が大抵先に来ていて、


「トノさん、おはよう」


 と言ってくる。


「ああ、シマさん、おはよう。……いつも早いね」


「うん。俺も普通に刑事なんだし」


 島田がそう言って、淹れていたコーヒーのカップに口を付けた。


 そして一口飲んだ後、立ち上げていたパソコンに向かい、キーを叩き始める。


 カバンをデスクに置き、職務に必要なものを取り出して、パソコンの電源ボタンを押す。


 コーヒーを淹れて、飲んでから、ふっと、


「シマさん、警視庁広域指定七×二事件の方で本庁に動きがあるの?」


 と訊いた。


「あの事件、難しいんだよな。羽野和夫と衛藤稀人が逃亡中だからね」


「事件を探るカギはある?」