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 日曜の勤務が終わり、午後九時過ぎに署を出た。


 そして最寄りの地下鉄の駅へ歩き出す。


 車両に乗り込んでから、スマホを取り出し、見始めた。


 最近ニュースを見るのだが、だんだんと世の中の情勢から、遠のいていっている。


 別に気に掛けてなかった。


 四十代前半の男性なら、誰もがそうなのである。


 世事に疎くなるという。


 自然といろんなことを忘れていく。
 

 流れていくのだ。


 感情が。


 そして警察内部のことばかり、気になっていた。


 尾花監察官が警視庁に監察官聴取にやってくることは、半ば予想していたことである。