カップに口を付け、飲む。


 警視庁が抱え込んでいる案件はここ数日、変化がない。


 ただ、捜査員は動いていた。


 特に関東六王会を、組対が鋭意捜査中である。


 大きなことだった。


 島田もずっと窺っているようだ。


 組対の捜査がどうなるかを。


 それにしても先日の押村刑事部長からの電話は、一体何だったのだろう?
 

 不可思議に思っていた。


 月創会本体や、教祖の古賀便文がどう動くのか、知りたがっているようだ。


 だが、そんなことを所轄の刑事課の一刑事に過ぎない俺に言ってこられても困る。


 俺にも俺で、仕事があるのだ。


 それにあの事件自体、公安が動くのだから、言いようがない。