「まあな。デカも大変だからね。所轄の捜査員もずっと追い続けてるんだろうな」


「ああ。……それより、関東六王会の件はどうなってるのかな?俺も気になっててさ」


 島田がそう言って、立ち上げていたパソコンのディスプレイを覗き込む。


 調書を読みながら、


「本庁組対四課のデカも、うちの署の刑事課の暴力犯係の関係者も動いてる。大規模な摘発は先なんだけど、どうやら裏で捜査してるみたいだな」


 と言った。


「シマさん、ある意味、恐ろしいと思うよ。ヤクザなんか根絶できないしな」


「ああ、俺もそう思う。……根っこに利権が絡んでるからね。ずっと変わらずにな」


「ミカジメの回収に、嫌がらせ、おまけに暴力だからな。始末が悪いよな」


「うん。ただ、もっと悪いのが月創会だよ。古賀便文もヤクザと同類項だからな」


「ああ、俺もそう思ってた。あの爺は死亡説まで流れてるのに、まだ月創会は隠し通してるからな」


「よほど教祖の死亡が怖いんだろうね。アイツを拝んでる月創会の人間たちは始末が悪い