と言った。


「トノさん、いいの?酔っ払って」


「ああ。俺だって気分紛らわすために酔いたいよ。別に悪いことじゃないだろ?」


「うん。まあ、そう言われればそうだけど……」


 島田が幾分躊躇っているようだ。


「まあ、明日土曜はお互い非番だから、今夜はトコトン飲もう」


 そう言って、大都会の雑踏に紛れ込む。


 ゆっくりと夜の新宿を楽しむつもりでいた。


 何せここは日本有数の歓楽街なのだから……。


 関東六王会のように跳梁跋扈するヤクザもいて、街の治安も幾分不安定なのだし……。


 島田と一緒に、新宿の裏手にある居酒屋<キタシロ>に入った。


 電車や地下鉄が遅くまであるから、多少遅い時間でも平気だ。


 俺も自宅マンションに帰り着けば、独りである。