と言ってきた。


「ああ、シマさん、おはよう。早いね」


「うん。新宿の街でデカやってると、担当案件がたくさんあるから、朝どうしても早く来ちゃうんだよね」


「きつくないの?」


「ああ、多少ね。でも慣れたよ。……トノさんは、警視庁時代とどっちがいい?」


「俺?俺はどっちかというと、今の所轄の方が楽だな」


「そう言うって思ってた。俺もトノさんが緊張感抜けて、返って抵抗があるんじゃないかって感じててね」


「まあ、お互い人間だからな。俺も目の前の事件の捜査には必死になるけど、合間で気を抜くことはあるよ」


 そう言ってデスクの椅子に座り、パソコンを立ち上げた。
 

 そしてメールボックスに来ていたメールをチェックし終わってから、キーを叩き始める。
 

 都内で事件というと、六本木の通り魔事件が俎上に上がっていた。