ちゃんと電話を取る人間がいて、回り続けているのだ。


 ずっと。


 六本木の通り魔事件は、まだ解決してない。


 浅倉は逃げたままだった。


 おそらく所轄の人間たちもジリジリしているだろう。


 目の前の事件を即座に解決できずに。


 もちろん、俺も島田も、そして他の署員たちも対岸の火事だと思っていた。


 別にこっちには影響してこないと考えていて。