立ち止まっても解決にはならない。


 だから、しっかりやるつもりでいた。


 警察官として長い間、警察の水を飲み続けているのだし……。


 それに仕事は山ほどある。


 ボゥーッとしている時間はない。


 街をパトロールしながら、何かあったら、すぐ対応する。


 それがデカの本分だった。


 そう思い、気を引き締める。


 常に緊張感との戦いだった。


 金曜の昼、新宿の街をスーツ姿で黙々と歩く。


 いつも上下ともグレーか黒のスーツを着ていた。


 大抵の刑事はこういった格好をしている。


 マル暴などを除き。